別れはある日突然に。


レコード会社時代に一緒に仕事した方が亡くなった。
一番辛かった時間を支えてくれた、とてもお世話になった方だった。

いつもバリバリ仕事をして、お酒ももの凄く強くて、
ただただ元気なイメージしか無い女性だった。
本当に信じられなかった。

プロジェクトの途中でレコード会社を退社して、私は写真の勉強を始めた。
きっと沢山迷惑を掛けていたと思う。
だから、次に会うときはちゃんと「カメラマン」として再会したかった。
でもその夢は叶う事はなかった。

お通夜に行っても、ただただ悔しくて涙が止まらなかった。
一緒に仕事をした人達とも、まさかこんな形で再会するとは思わなかった。

数年前、私はある手術をした。
簡単な日帰り手術だったのに、その方はわざわざ電話を下さった。
そんな風に、色んな人に気を配れるとても素敵な女性で、
担当アーティストはもちろん、周りのスタッフやファンの人達にとても愛されていた人だった。
私はその方から与えて貰うばかりで、何一つ恩返しする事ができなかった。

お通夜の間中、ただただ私は「ごめんなさい」と心の中で繰り返していた。
あの時みたいに「もう、しょうがないなぁ」という声が今にも聞こえて来そうな程
奇麗でとても穏やかな顔をしていて眠っていた。
まるで、全速力で駆け抜けた人生に満足しているかのように。

「いつか」や「そのうち」では遅い事がある。
携帯とかSNSで繋がっている事で安心してはいけないんだと思った。
私はどうして同じ過ちを繰り返してしまうんだろう。

その方が見る事ができなかった世界を、
しっかり生きて残して行く事が私のやるべき事なんだと思う。
いつか、胸を張って「精一杯私も生きました」と言えるように。

旅立ちの日は雲一つない青い空だった。
必死に駆け抜けた短い時間。
どうか天国で安らかに。