July 28 Sunday.

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今日は国立新美術館で開催されたホンマタカシさんのワークショップ『写真』以前/暗黒を作り出そうを受講してきた。約20名が参加していたけれど、かなりの高倍率だったようだ。最初の写真といわれる1826-1827年に撮影されたNicéphore Niépceの「View from the Window at Le Gras」や、山中信夫さんの作品のように部屋自体を大きなピンホールカメラにして撮影するという内容。

まずは参加者で窓に黒いケント紙を貼り、遮光パーマセルで隙間を埋め、さらに暗幕とカーテンで一切の光を遮断する。この「真っ暗な部屋」を作るという作業がかなり大変だった。昔と違って今は本当に光が溢れている。夜道も街灯が照らしている。本当の真っ暗を体験する事は少ない。

完成した部屋から見える景色が、五円玉の穴を通り反対側の壁に像となって映し出される。最初は真っ暗で何も見えなかったのが、徐々に眼が慣れて像が浮かんでくる。想像以上にその像ははっきりしていて揺れる木や外を歩く人までわかる。まるで自分がカメラの中に入り込んだような感覚になった。

そしてピンホールの穴を塞ぎ、完全に光が全くない状態で壁に8×10のフィルムを並べていく。おそらく全く光が無い状態というのは生まれて初めての経験だったと思う。いくら眼を開いても、時間が経っても全く何も見えない。頼りになるのは人の声と手先の感覚のみ。全ての神経を集中させる。おそらく盲目の人の感覚はこんな感じなのだろうと思った。偶然にも来週受ける視覚障害者と若手写真家のための「写真を言葉にして伝える」ワークショップとも何か繋がりそうな気がした。

1週間後現像されたプリントが仕上がるのが楽しみ。

デジタルから入った私は案の定写真の歴史を逆走している。フィルム撮影や暗室作業をすっ飛ばして鶏卵プリントやピンホールに飛ぶのもちょっとどうかと思うけど….